初めてカナダを訪れたのは5歳の時だった。まだニューヨークの貿易センタービルが健在だったころ、私自身も保育園児だった時の話である。降り立ったバンクーバーで向かったのがパシフィックセントラル駅。ここを発着する大陸横断列車「カナディアン」を見に行ったのだった。
日本で見慣れた電車とは違う、幾両も連なる大柄なステンレスの車体。自分自身がまだ小さかったこともあり今以上に迫力を感じたのだろう。それ以来この列車はどこか特別な存在になった。それから約18年。所要時間こそ若干延びたものの未だ同じ車両が毎週2本ずつ大陸の東西を結んでいる。
ステンレス車両が輝くのは夜。街明かりに照らされ年季の入った車体が鈍く光る。そのようなシーンを撮りたいと願っていたのだが、先述のダイヤ変更でバンクーバー発着は昼間に。また途中駅を夜間に訪れるのも現実的ではない。そう思っていたところ、偶然ジャスパーで留置される車両を発見した。実はこれ、プリンスルパートを目指す州内の短距離列車なのだが、切り取ってしまえば分からないだろう。
0コメント