チェコに行った話・ブルノ編

チェコ共和国第二の都市ブルノ。中世の地下納骨堂などが有名だが、海外鉄としてはこの街を縦横無尽に走るトラム網にこそ惹かれる。社会主義時代に製造されたタトラ社製の路面電車、通称タトラカーを目指してCIAF翌日はRailjetの民と化した。なおこの列車は通常の1等・2等客席のほかビジネスクラスが設定されており、当時で約700円の追加料金を支払えば利用できた。座席自体はJAL国内線のクラスJと同等だが、客席に座ったまま食事を用意してもらえるというのは荷物の多い旅行者にはありがたいサービスである。チェコ伝統料理に舌鼓を打っていると列車はあっという間にブルノ中央駅に到着した。


宿に荷物を放り投げロケハンをしているとここで事件が発生した。宿の目の前の石畳を歩いていたときのことである。唐突に背後から何かが落ちる音がした。誰かがスマホでも落としたのだろう、気の毒に、などと思って振り返るとそこに落ちていたのは見覚えのあるレンズであった。どうやら知らず知らずのうちにバッグのジッパーが開いていたようである。幸いレンズは割れておらず、フィルター枠に傷がついた以外は問題なさそうに思える。帰国後にメーカー点検に持ち込むと手振れ補正ユニットの故障と診断されたが、保険会社に修理代を負担していただいたことで再び戦列に復帰することが叶った。


不意の事故はあったもののロケハンをしてみるとトラムの法則性が見えてきた。どうやら中心街を貫く4系統には旧型のT3は運用されていないようである。正確には早朝の1往復以外は低床のKT8D5が中心のようだ。あくまで丸顔のT3をメインにしたいので赤レンガの教会バックに撮影できる電亭から一枚。空中架線に吊るされた街灯が実にヨーロッパらしい。

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