実はα9を導入する前に別のレンズを購入していた。Eマウント初の大口径単焦点であったFE 35mm F1.4 ZAである。
いわゆる標準レンズと言えば28mmだったり50mmだったり人それぞれこだわりがあるかと思うが、私にとっては35mmがちょうどそれに当たる。一昨年Fマウント用にタムロンの35mm F1.8 SPを購入したが、それが今まで愛用してきた50mmレンズよりしっくりきたというのがきっかけとなった。レフ機用としては珍しく手振れ補正を搭載し、最短撮影距離も短いとあって使い勝手が抜群であったが、それもα7Riii導入の折に下取りに出してしまった。
それ以来標準レンズとしてFE 55mm F1.8 ZAを使用してきたが、いかんせん寄れないため苦手意識を持っている。開放F値が1.8というのもどこか引っかかりを感じていたので、意を決してEマウント検討時から気になっていた35/1.4をついに手に入れる運びとなった。
ネット上での評価はあまり芳しいとは言えず、Eマウント初期の不人気レンズと言った評価が散見される。おそらくそれは価格の高さからくるものが大いに影響していると考えられるのだが、中古美品で10万ちょうどならば悪くないと感じる。それなりに寄れるしピント面の解像度はα7Riiiの4200万画素にも十分追い付くほど。AFのスピードも必要十分でボケは素直なスムーズさ。まさしく自分が求めていたすべてが詰まったレンズと言った感じで非常に満足している。
開放から1段絞ったF2.0あたりだとこのようなボケ方。CAMERAのMとEあたりにピントの芯があるが、その前後5㎝程度がピント範囲内だろうか。優しいふんわりとした輪郭のボケが気持ちいい。
一方で絞れば隅までスッキリと解像する。当然と言えば当然だが、やはり写るべきものがきちんと写るのはいいものだ。窓ガラスの質感とそれに反射する太陽光が生々しい。きめ細かい蔦もはっきりと見て取れる。
まだまだ購入したばかりで使い込めてないレンズだが、いよいよ本気のレンズを購入したことでEマウント移行が本格化してきた。仕事ではニコンを引き続き使用するが趣味のデジタル機材はソニーとなりそうである。
まあトリプルマウントというのも悪くないかもしれないが。
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