α7Riiiを買った話

今までカメラはずっとNikonを使ってきた。中1の冬に親からもらったCoolpix P90から始まり、1年後にはD90へステップアップ。それを5年ほど使ったのち大学入学とほぼ同時期にD500を購入し、その約半年後にD4Sを追加導入したところで落ち着いていた。

しかし人間の欲求は果てがない。より高感度、高解像度を求めて「よりよいカメラ」を探し求める。何でも撮れると思い購入したD4Sでさえも画素数に不満が出てきた。そんな折、後輩がD810を買ったと言う。これが間接的なきっかけとなったかは定かではないが、夏休み前ともあり私は一気に高画素機の導入へ舵を切ったのである。候補としてはNikonのD810、D850、Z 7、PanasonicのS1R、そしてSonyのα7Rシリーズがあった。

まずS1Rは操作性の観点から除外。サイズが大きすぎたと言うのも理由の一つだ。そして身の回りを見渡すとα7R以外は誰かしらが持っているということもあり、天邪鬼な私は自然とα7Rを選択する流れになった。問題は第2世代か第3世代かである。どちらも同じセンサーでボディ内手ぶれ補正を搭載している。違いといえばバッテリー容量、連射速度や細かい操作性である。その差に10万円を出せるか否か。連日連夜悩みに悩み、3日後ついに結果が出た。

実は以前α7iiを半月ほど貸してもらったことがあった。その時に感じた操作性のストレスが第3世代では解消されていたのである。具体的に言えばAFポイントを選択するマルチセレクターとコントロールホイールである。特に後者が意図せず操作されることが多くストレス源になっていただけにこの改良は嬉しい。このことから少なくない金額を追加してでもα7Riiiを導入する意義はあると感じた。

あとはレンズである。高画素機ならできれば単焦点を中心に揃えたい。標準レンズは鉄板だろうととりあえずZeiss銘の与えられたFE 55mm F1,8 ZAを選択した。余談であるがいわゆるSony Zeissのみ小数点がピリオドではなくカンマで印刷されている。どうやらこれはドイツ本国の慣習に則っているらしい。

一方の広角端はというとこれが悩みのタネ。予算との相談もあるが、12-24/4、16-35/2.8、16-35/4などのズームレンズのほか単焦点も多数ラインナップされている。結局夜な夜なPhoto YodobashiやDPreviewの記事を読んだり、YouTubeでMatt Granger氏やDustin Abbot氏、Tony Northrop氏の動画を漁ることになった。そしてコスパや軽量さで選んだのが写真のFE 16-35mm F4 ZAである。

だがしかしである。ここで85mmはいらないのか、などと心の中の悪魔が囁いてきた。実は今年ベトナムや香港を旅することがあり、その際に50mmよりも85mmでストリートスナップを撮りたいと感じていた。軽量コンパクトなミラーレス機でそれが出来れば願ったり叶ったりである。かくして3ミリ秒ほどの葛藤を経てFE 85mm f1.8が錬成された。

約半月に渡った新機材の選定が終わったわけであるが、この過程でD500や複数のレンズを売却せざるを得なかったことを追記しておきたい。特に今年2月に購入したばかりのSigma 14-24mm F2.8 Artは素晴らしい画質(そして凄まじい重さ)を与えてくれただけに、断腸の思いではあったがこれも時代の流れと割り切って軽量化の犠牲となってもらった。また昨年の夏遠征のために導入したTAMRONの35mm F1.8やNikkor 300mm F4 PFなども新宿の防湿庫行きとなった。いずれも様々な場面で最高の1枚を叶えてくれた機材だっただけに寂しさは一入であった。

長々と書き連ねたが、以上が光学ファインダー原理主義者によるミラーレス機導入の顛末である。1年後はどのような機材構成になっているかまるで予想がつかないが、今年のカナダ遠征のお供はこれで決定した。願わくばカナディアンロッキーの雄大な風景と大陸横断鉄道を写真に収めたいものである。

なおこれらを購入した5日後には後継機のα7Rivが発表されたことを最後に記しておこう。

台風一家

散財やめました。うそです。

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