スぺマが青空を貫いた話

年の瀬が近づいてきた11月の話である。そろそろ気温が落ち着いてきて普段なだ航空祭シーズンに突入する時期であるが、今年は件の感染症のために全面的に中止。しかしどうやら百里基地のファントムが全国の基地にお礼参りに向かうらしい。名目としては航法訓練らしいが、飛ぶものならなんだっていい。あやふやな噂を頼りに早朝から先輩の運転するスイフトスポーツの助手席に便乗し、百里基地へ向かった。先輩曰く、月曜・火曜と飛んでいないらしい。


撮影地の某コンビニ近くに到着すると、今まで見たことのない人だかりができていた。情報を持っている人は持っているものなので多分今日が当たりなのだろうと期待が高まる。どこから情報が漏れるのか分からないが…


途中肉まんをごちそうになりながら寒さに震えつつ待つこと2時間。どうやら築城基地へのクリアランスが出たらしい。ややあって空ぶかしの音が2発。同時に設定を確認する。α9は電子シャッターでなければ秒間20枚を切れないので注意が必要だ。設定OK、AFエリアはカメラ任せの全自動。まもなく林の向こうから初めてお目にかかる青スぺマの436号機が飛び出してきた。

画像確認をする暇もなく、間髪入れず2機目の黄スぺマ315号機が飛び出してくる。手ごたえは十分。J79の爆音を浴びながら背面液晶を確認すると、主翼を輝かせながら豪快にバンクする2機のファントムが写し出されていた。それぞれ専用の増槽を3本、そしてトラベルポッドを2本かかえた最重量級の装備であったが、そのような重さを微塵も感じさせない離陸だった。

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